芸能人が自殺しても何も変わらないのか?
批判と誹謗中傷の境目はどこにあるのか?
日本を代表するロックバンド、RADWIMPSの野田洋次郎氏のツイートが賛否両論を巻き起こし炎上しました。
前も話したかもだけど大谷翔平選手や藤井聡太棋士や芦田愛菜さんみたいなお化け遺伝子を持つ人たちの配偶者はもう国家プロジェクトとして国が専門家を集めて選定するべきなんじゃないかと思ってる。
— Yojiro Noda (@YojiNoda1) 2020年7月16日
お父さんはそう思ってる。#個人の見解です
この記事を書いている恭平 a.k.a こども社長( @kyoopees )は京都でライブハウスGROWLYや音楽スタジオAntonioなどを運営している会社の代表です。
今回はちょっと「音楽」や「ライブハウス」の話とは離れますが、思うことがあったので記事にしたいと思います。
野田洋次郎さんのツイートに批判的な人。
また逆に肯定的だったり、ファンだから批判されててつらいという人に見て欲しいと思っております。
レディゴォ!
※この件についての動画を先に出しております。
この動画の内容をもとに編集し直した記事となります。
RADWIMPS野田洋次郎の優生思想発言が炎上してる件について
このツイートが話題になりツイッターのトレンドに入ったのが7/25。
ツイートされたのが7/16なので約9日の時を経て炎上した形となります。
ツイートのリプ欄にもちょっと度が過ぎた批判もあって、心が痛くなりました。
つい先日にも芸能人が誹謗中傷を苦に亡くなったのに、何も学んでないなと。
野田洋次郎さんがどう感じてるかわかりませんが、こういう風潮は良くないと思ってます。
今回伝えたいことは2点あります。
1.今回の野田洋次郎さんの発言の内容について
2.このツイートが炎上してる件について
結論から言うと
「野田さんのツイート自体は賛同できるものではないが、それを理由に度が過ぎた批判も見られ、正義の名の下に誹謗中傷を肯定化してはいけない」
ということです。
順に解説していきます。
今回の野田洋次郎さんの発言の内容について
今回野田さんは、野球の大谷翔平さん、将棋の藤井聡太さん、女優の芦田愛菜さんの名前を出し、この3人のような優秀な遺伝子を残すために、国家プロジェクトとして配偶者を選定した方がいいんじゃないか、という趣旨のツイートをされました。
おそらく野田さんはこの3人をすごく尊敬してるんだと思います。
問題のツイートがされた直前に、野田さんは藤井聡太さんに対して「おめでとうございます」ってツイートをしています。
2020年7月16日は藤井聡太さんが渡辺明棋聖を破り、棋聖位を奪還した日でした。
藤井聡太の歴史的快挙を祝うとともに、野田さんが同等に尊敬する大谷翔平さん、芦田愛菜さんの名前を出したのでしょう。
しかしこの発言が「優生思想そのものだ」といって批判を受けました。
実際に3人の名前を挙げることによって、「3人にも自由恋愛の権利がある!」という声も上がりました。
野田さんが3人の素晴らしさを表現したかった気持ちと裏腹に、優生思想主義者であるという見られ方や、3人の自由恋愛を奪いたいという見られ方をしてしまったのです。
優生思想とは、優生学の考え方を持つ思想のことです。
一般に「生物の遺伝構造を改良する事で人類の進歩を促そうとする科学的社会改良運動」と定義される。
一番身近な優生学の例で言えば、品種改良です。
優秀な遺伝子を掛け合わせて優秀な遺伝子を残すやり方です。
品種改良は我々の生活に密接な関係があります。
例えば食べ物。
お米の原料になる稲は品種改良を繰り返し、寒さに強かったり、枯れにくかったり、美味しくなるように品種改良が繰り返されています。
ペットにも品種改良が施されています。
犬や猫など身近なペットも、品種改良で生み出された品種も多いです。
ペットの品種改良についても問題視されることが多いですが、これを人間に当てはめるとなったら倫理的に大問題ですよね。
だから僕もこの発言自体には賛同できません。
このツイートが炎上してる件について
今回言いたいことの2点目が、このツイートが炎上してることについてです。
先述した通り、僕も優生思想自体には賛同できません。
しかし、その発言をしたからと言って、誹謗中傷を肯定してはいけない、と思ってます。
これは以前、きゃりーぱみゅぱみゅさんが検察庁法改正案に反対しますというツイートをして炎上した件からも言えることなのですが、アーティストをアイドル化しすぎだと思います。
アイドルという言葉を使いましたが、歌って踊れるアイドルのことをディスってるわけではないです。
もともともと「アイドル」という言葉は「偶像」という意味です。
対象の相手を自分の理想に作り上げすぎているのではないかと思っています。
今回の野田さんのツイートに対するリプでも、「見損ないました、もう曲聞きません」とか「フォロー外します」というリプが散見されました。
曲やライブが好きになった相手に対して、思想100%求めるのは疑問を抱きます。
それこそどんなに人気のアイドルだってトイレに行きます。
有名なアーティストだって愚痴を吐くこともあるでしょうし、突拍子も無いことを言うこともあるでしょう。
完璧を求めてはいけないと思います。
そもそもアーティストは、他人と違う考え方を持ってる人が多いと思います。
大多数の同世代が、週休二日で働き、給料をもらっているでしょう。
そういうマジョリティーとはまず生活が違います。
もちろんアーティストになるまでにも想像がつかないくらいの努力をしてるでしょうし、誰も味わったことのない経験や感情を持っていると思います。
現在も曲作ってツアー回ったりしているので、これを読んでる人の大半が想像のつかない生活をしています。
そして野田さんがそうかわかりませんが、意識的に、他人と違う感性を磨く努力をしてるかもしれません。
他人と違うからこそ、唯一無二の名曲を作れるんだと思います。
だから他人(大勢多数)と違う意見を持っていても当然だと思うし、個人的には、アーティストに普通の感性を求めるのも違うかなって思います。
正義の側に立っているなら天罰を下してもいいのか
誹謗中傷を正当化しようとする人がいます。
漫画「氷室の天地」から引用されたフレーズがあります。
人が最も残虐になるときは『悪に染まった』ときではない! 真偽どうあれ『正義の側に立った』と思ったときに人は加虐のブレーキが壊れるのだ! 何せ『自分は正しい』という免罪符を手に入れてしまうのだからな! 正義という名の棍棒で、悪と見なした者の頭を打ちのめす快楽に溺れてしまうものよ!
今回もまさにそれを見た気がしました。
繰り返しますが、僕も野田さんの発言は正しいとは思いません。
批判する側に立つ方が正義だとは思います。
しかしそれで何言ってもいい、誹謗中傷してもいい、ってわけじゃありません。
理性という名のブレーキを皆さん持って欲しいなと思いました。
批判と誹謗中傷の線引きは難しいですが、
- 批判:その発言に対しての指摘、反論
- 誹謗中傷:その発言とは関係のない指摘、人間性の否定、所属する団体への批判など
と捉えたらいいのかなと思います。
ツイートの意見自体は賛同できません。
しかしそれでファンをやめるとか曲を聴かないっていうのはもったいないと思います。
今回のリプ欄には度が過ぎた批判も目にしました。
正しい批判だとしても度を過ぎないようにしましょう、ということを主張したいです。
ちなみに僕はRADWIMPSの曲では前前前世が好きです。
まとめ
ということで今回は「RADWIMPSの野田洋次郎の優生思想発言が炎上してる件について」という記事でした。
あのツイートが激しい優生思想発言なのかは解釈によるところですが、そうだと捉えられるような発言をしたことには落ち度があります。
しかしだからといって誹謗中傷をしてはいけません。
「野田さんのツイート自体は賛同できるものではないが、それを理由に度が過ぎた批判も見られ、正義の名の下に誹謗中傷を肯定化してはいけない」
ということが伝われば幸いです。
言いたいことも言えないこんな世の中になってますが、
もっと個人が発言しやすい世の中になればいいなぁと思ってます。
誹謗中傷がこの世から少しでもなくなり、
誹謗中傷で傷つく人が一人でも減りますように。
関連記事です。
最近はブログよりもYouTubeで発信をしています。
特定のバンドのことを記事にすることは稀ですが。
今やバンド活動に欠かせないTwitterですが、運用方法は難しいですね。
続きはWebで。もしくは前前前世で。