ライブハウスに行ったことある人は、
なんで前売り券と当日券の価格が違うの?
って思ったことがあると思います。
さらに突っ込んで考えたことある人は、
当日券と前売り券の価格、一緒にした方が良くない?
とか、
前売り券が安いの?当日券が高いの?
と疑問を持った人がいるのではないでしょうか。
僕も思った事があります!
今回は、京都でライブハウスGROWLYを経営する
恭平 a.k.a こども社長 (@kyoopees ) が、その疑問にズバリお答えします!!
注意:)個人的見解なので、諸説あります!
前売り券が安いのか、当日券が高いのか
「卵が先か、鶏が先か」に似たこの論争。
前売り券が安いのか、当日券が高いのか。
どちらを基準にするかで変わって来ますよね。
前売り券と当日券を、一番最初に設定した人を調べても残念ながら出て来ないので、僕の見解を述べていきます。
結論:当日券が高いのではなく、前売り券が安い
僕が主張する答えは「当日券が高いのではなく、前売り券が安い」です。
理由を説明しますね!
当日券は標準価格
現代の日本では、前売り価格で入る事が主流になっているので誤解されがちですが、
当日券の価格が、そもそものチケットの価格です。
ライブはフラッと遊びに行くものだったからでしょうか。
当日券で入るということは、「特に目当てのバンドは無いけど、時間空いたから来たよ」という概念が含まれると推測します。
フライヤー(チラシ)やHP等では、英語でDOORと表記されることが多いですが、at doorとかdoorsの略とされてます。
直訳すると、「ドア(入口)で払う料金」という意味ですかね。
ちなみに海外ではDOSと略されることが多いようです。
前売り券は割引価格
それに対して、前売り券の料金は当日券より安く設定してあることが多いです。
一概には言えませんが、当日券の値段より500円安いことが多いです。
英語表記の場合はADVと表記されますが、これはadvance ticketの略です。
advanceは前進という意味の単語ですが、他にも前払いや前金の意味もあるので、そのまま"前売り券"を意味する略語です。
当日券→前売り券→当日券のパターンもある
「前売り券が買えなかったから、当日券で入ろう!」という時もあるでしょう。
「イベント当日の予定がどうなるかわからないから前売り券を買わなかったけど、当日になって行けることになった!」という場合ですね。
この場合は、当日券(本来) → 前売り券(買えなかった) → 当日券というパターンです。
また、前売り券が売り切れてしまった場合でも、キャンセルが発生したり、もう少しお客さんを入れても大丈夫だなと判断した時は、当日券を出すパターンもあります。
このパターンは、前売り券(が買えなかったから) → 当日券(高くてもしょうがない)と誤解されがちですが、
当日券(本来) → 前売り券(買えなかった) → 当日券(前売り券キャンセル分)という考え方が正しいです。
なので、「当日券で入って損をした」と考えるのではなく、「当日券が本来の価格だから損も得も無い」と考えるのが正しいです。
当日券を出すかどうか決めるタイミング
余談ですが、「ソールドアウト(売り切れ)している公演の当日券を出すかどうか」ってどのタイミングで決まるのでしょうか。
本来であればオープンして、前売り券を持ってるお客さんが一旦入りきってからの判断になります。
たまにオープン前に「今日当日券出ますか!?」と問い合わせが来ます。
気持ちはわからないことも無いんですが、ソールドアウト公演に当日券を出すかどうかは「オープンしないとわからない」というのが本音です。
前売り券が安い理由
前売り券が安いのは「前もって買ってくれた人は特別に安くするよー」という概念からきているようです。
ではなぜ、前もって買ったら安くするのでしょうか?
これにはいくつかの理由があります。
前もって購入してくれた人への特典
前もって買ってくれる人というのは、そのイベントに出演する特定のアーティストか、そのイベント自体を元々知ってる人です。
ほとんどが、出演アーティストのファンであるか、友達・身内です。
なので、以前から知ってくれていて、その上でチケットを買ってくれる人達へのお礼の意味で、安くするのです。
予め人数を把握できる
前売り券を安くして買ってもらうことにより、イベントの当日より前に、当日どれくらいの来客があるかをある程度把握することができます。
前売り券を設定することで、100人しか入らない会場に200人来ちゃった!なんてトラブルも回避する事ができます。
逆に、100人入れたいのにまだ10枚しか売れてない!もっと宣伝しなきゃ!と対策を打つこともできます。
前売り料金と当日料金が同じ場合は不親切!?
たまに前売り料金と当日料金が同じイベントを見かけますが、僕個人的には不親切だなぁと思います。
予約特典(割引等)が無ければ予約する理由が無いし、主催側も集客予測ができません。
当日SEが鳴って登場したらお客さんガラガラ、もしくはお客さんが会場に入りきれずクレームの嵐、だったりするかもしれないですね。
「前売り料金と当日料金が同じだったら、フラッと見に来やすいじゃないか!」という意見も、わかります。
逆に考えれば、「予約などせず、フラッと見に来て欲しい!」という主旨のイベントであれば、前売り料金を敢えて設定しないというやり方もあるかもしれませんね。
チケットを前もって予約して欲しい!という場合は、前売り料金は当日料金より安くすべきです。
補足:ドリンク代
前売り料金、当日料金とは別途ドリンク代がかかることが多いです。
会場によっては500円、最近は600円のところも増えてきました。
(GROWLYも2018年1月1日より600円になりました。)
ドリンク代がかかる理由などはまた別の記事で書くとして、ライブハウスに入るときには、チケット代とは別途ドリンク代がかかることだけ知っておいてもらえると助かります。
前売り券と前売り予約
言葉の定義は難しいですが、前売り券(現物)と前売り予約(現物は無い)があります。
前売り券
前売り券は、e+やチケットぴあやローソンチケットなどの"プレイガイド"で買える他、アーティストの物販で"手売りチケット"として買える場合もあります。
現物としてのチケットを手に入れる事ができるので安心感があったり、イベントが終わった後も半券(使用済みチケット)が残るので、思い出の品にもなります。
また、前売り券を持っていれば、入場がスムーズになるので、入場を管理する会場側にもメリットがあります。
最近はe+のスマチケやライブポケットなどの"紙を使用しないスマホチケット"などのサービスも登場していて利便性が上がっています。
こちらは手数料が安かったりコンビニに発券しに行く手間がなくて済む一方、半券が残らなかったり行けなくなった時に友達に譲る際にトラブルになったりします。
前売り予約
一方、イベントによってはチケットを発行せず、前売り予約(メール予約、HP予約等)という制度を使う場合があります。
前売り予約は、前売り券を発行せずとも、前売り料金で入場できる、画期的なシステムです。
料金を前払いする必要がないし、当日キャンセルしてもキャンセル料がかからないので、全国のライブハウス、イベントで多く取り入れられてます。
ただし、ライブハウスの受付で名前を確認する必要があるため、確認に時間がかかるので、お客さんがたくさん入るイベントには適してません。
また、キャンセルが相次ぐとトラブルの元になる場合もあります。
前売り予約は信頼関係の上に成り立つ
前売り予約は、前述した様なメリットもありますが、無断キャンセルや当日キャンセルが続くと、主催側が集客を把握できないことであったり、モチベーションの低下につながる等のデメリットもあります。
例えば、200人入る会場で200人の予約が埋まったので予約を締め切ったのに、当日キャンセルが多くて100人しか来なかった…となると、予約ができなくて来るのを断念したお客さんも、イベントを開催する側も困ります。
前売り予約は、アーティスト(イベント)とお客さんの信頼関係の上で成り立っています。
キャンセルを極力しない(行ける事が確定してから予約する)こと、どうしても行けなくなってしまった場合は、キャンセルの連絡をする事が重要です。
まとめ
というわけで、前売り料金が安いのには理由がありました。
ライブに行くのであれば、安く入れる方が良いですよね。
前売り券が安ければ、見に来る側にも主催者側にもメリットがあります。
改めて、僕がこの記事で一番言いたいことは、
前売り券を買って(予約して)欲しいのであれば、前売り料金は当日料金より安くすべき!
です。
予め行くことが決まってるイベントには、是非前売り券をゲットして遊びに行きましょう!
ライブハウスに潜む素朴な疑問について書いた記事。
私はライブハウスを経営しております。
チケットについて書いた記事です。
安いか高いかの判断は難しい所ですが。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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