スピッツは新しい出会いや再会を「見っけ」る喜びと共に、
心配してくれる「優しいあの子」のことを気遣ってるのでしょうか。
スピッツのNEW ALBUM「見っけ」が2019年10月9日にリリースされました。
そしてなんと、発売日に日付が変わった深夜に、Apple MusicやSpotifyなどのサブスクに今までリリースした全曲と「見っけ」が解禁されました。
CDを買わなくても、今すぐどこでも聴ける。
すごい時代になったなぁと思います。
この記事を書いている恭平 a.k.a こども社長( @kyoopees )は京都でライブハウスGROWLYや音楽スタジオAntonioを経営する傍ら、
インディーズレーベルDAYRIGHT RECORDS( @dyrt_records )も運営しています。
今の時代、CDを作ってただリリースするだけでは先に進めないと感じています。
サブスク全盛期にさしかかっているこのタイミングでリリースされたスピッツの「見っけ」。
そのタイトル曲でもあり1曲めに収録されている「見っけ」。
そして続く2曲めであり、アルバムに先行して発売されたシングル曲でもあり、MV曲でもある「優しいあの子」。
この2曲にはスピッツのVo.&Gt.草野マサムネ氏のサブスクに対する見解が込められてるように感じたので、今回はこの2曲の歌詞を考察する記事にしたいと思います。
あくまで僕が勝手に感じたことを書きますので、マサムネ氏の想いとは違う部分は大いにあると思いますが、こういう感じ方もあるんだなと寛大な心で読み進めていただけると幸いです。
レディゴォ!
スピッツ「見っけ」「優しいあの子」はサブスク解禁の歌?説
「見っけ」はサブスクによる新しい出会いや再会のこと?
アルバムタイトルでもあり1曲めに収録されている「見っけ」。
アルバムタイトルにもして1曲めに収録するということは、よほどの想いが込められてると推測します。
再会へ!消えそうな 道を辿りたい
すぐに準備しよう
人間になんないで くり返す物語
ついに場外へ
どんな魔法も手をたたいて 笑った
そんな君を見っけたのは まだファンタジー?
再会へ!流星のピュンピュンで 駆け抜けろ
近いぞゴールは
ランディの歪んだサスティーンに 乗っていく
ファントム追い越して見っけるんだ 禁断の実
再会へ!生ぬるい運命を 破りたい
未来をひっかいて
再会へ!消えそうな 道を辿りたい
すぐに準備しよう
人間になんないで くり返す物語
ついに場外へ
スピッツ - 見っけ 歌詞 - Lyrical Nonsense
壮大なイントロから始まる「見っけ」。
1行めの"消えそうな道"というのは、過去の曲たちでしょうか。
記憶から消えそうな過去の曲たちに再会ができる!
だから今すぐ受け入れる準備をしようということなのかと考えます。
そのあとに出てくる"人間になんないで"、"ついに場外へ"、"ファントム"、"禁断の実"などのフレーズが、マサムネ氏がサブスクへの違和感を覚えているように思えます。
2番の冒頭の"ランディの歪んだサスティーン"に出てくるランディはオジー・オズボーンのランディ・ローズだと推測されます。
30年以上も前に亡くなった"ランディの歪んだサスティーン"も、サブスクで簡単に聴くことができます。
そして"再会へ!生ぬるい運命を/破りたい/未来をひっかいて"というフレーズが、この曲がサブスクによって変わっていく音楽の未来になんとか爪痕を残したいというマサムネ氏の想いが込められてるように感じました。
「優しいあの子」は応援してくれるファンのこと?
そして2曲めに続く、このアルバムの代表曲でもある「優しいあの子」。
重い扉を押し開けたら 暗い道が続いてて
めげずに歩いたその先に 知らなかった世界
氷を散らす風すら 味方にもできるんだなあ
切り取られることのない 丸い大空の色を
優しいあの子にも教えたい ルルル…
口にする度に泣けるほど 憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き たどり着いたコタン
芽吹きを待つ仲間が 麓にも生きていたんだなあ
寂しい夜温める 古い許しの歌を
優しいあの子にも聴かせたい ルルル…
怖がりで言いそびれた ありがとうの一言と
日なたでまた会えるなら 丸い大空の色を
優しいあの子にも教えたい ルルル…
スピッツ - 優しいあの子 歌詞 - Lyrical Nonsense
サビのフレーズを模したギターリフから始まるAメロとBメロ。
"重い扉"で表現された、受け入れがたい道への入り口。
サブスクを解放したらどうなるかわからない、不安な選択肢だけど、進んでいったらそこには"知らなかった世界"が広がっていて。
"氷を散らす風"というのは進んでいく上での困難や敵のことでしょう。
そんな障害すらも使い方次第では"味方にもできるんだなあ"と。
知らなかった世界を知ったことで、新たな活用法に気づいたのではないでしょうか。
"丸い大空の色を"は、CDのことではないでしょうか。
本来なら"切り取られることのない"CDに込められた楽曲たちが、
サブスクによって無数の空に浮かんでいる、そんな感じがします。
続いて2番のA,Bメロ。
"コタン"というのはアイヌ語で集落を意味する単語らしいのですが、
"口にする度に泣けるほど 憧れて砕かれて 消えかけた火を胸に抱き"はサブスクについて何度も協議して、やるかやらないか迷い続けて、"コタン"にたどり着いた。
すると"芽吹きを待つ仲間が 麓にも生きていたんだなあ"と気づく。
これは、言い方はちょっと悪いかもしれませんが、今までファンだとは認識してなかったけど、スピッツのことを好きでいてくれるライトユーザーの存在に気づいたということではないでしょうか。
そのあとの"寂しい夜温める 古い許しの歌を"では、やはりサブスクで聴ける古い曲で夜を過ごそうということを表現してる気がします。
「優しいあの子」とは
さて、曲のタイトルでもあり、サビにも出てくる"優しいあの子"とは誰なのでしょうか。
実は"優しいあの子"は、サビ以外には登場しません。
僕は、"優しいあの子"は"スピッツの熱心なファン"だと想像します。
僕は正直、スピッツがサブスク解放したことを最初は受け入れられませんでした。
20年以上もファンであり、全てのCDアルバムを買ってきた僕にとって、そして新作「見っけ」を買おうと思っていた僕にとって、発売日に全曲サブスク解放はある種「裏切り」にも感じてしまいました。
こうなると、スピッツだけでなく多くのロックバンドが、CDによる収入が減る未来が予想されるからです。
サブスクは解放されたけど、CDを買ったほうがアーティストの糧になるのではないか。
そうやって心配する全国の"優しいあの子"にも、この曲を"聴かせたい"し、それを受け入れてることを"教えたい"、そう歌ってるのではないでしょうか。
まとめ
今回は完全に独断と偏見による歌詞考察を行ってみました。
もちろん、歌詞を書いたマサムネ氏の意図とは全く違う可能性もあります。
サブスクに関してどう思ってるのか知る由もありません。
しかし、サブスクを解放したアルバムが「見っけ」であることは、何かしらの意味が込められてると思います。
スピッツの歌詞は詩的で、聞き手が自由に解釈できます。
最近流行りのストレートな歌詞も好きですが、僕はスピッツの歌詞が大好きです。
サブスク推進派といえども、レーベルオーナーとしての選択を迷ってる僕の背中を、スピッツが押してくれた気がしてます。
関連記事です。
スピッツのようなメジャーアーティストがサブスクを解放することで、Music FMのような違法サイトは駆逐されると思っています。
Music FMについてを動画で喋ってるバージョン。
サブスクについては度々言及しています。
上記の記事きっかけで新聞にインタビューが掲載された話。(動画)
続きはWebで。もしくはコタンで。