ライブハウスの閉店は、コロナのせいなのか、そうでないのか。
増えすぎたライブハウスは淘汰されていくのか。
2020年は全世界で新型コロナウイルスが蔓延しました。
その影響はほとんど全ての業種で出ています。
密を伴うライブハウスも例外ではなく、この記事を書いてる2020年1月現在も緊急事態宣言が出され、時短営業要請の対象となっております。
この記事を書いている恭平 a.k.a こども社長( @kyoopees )も京都でライブハウス、スタジオ、飲食店を経営しています。
もちろん大ダメージを受けました。
なんとか踏ん張っていますが、全国ではライブハウスの閉店が相次ぎました。
そこで今回は、ライブハウス閉店まとめ【2020年版】の記事になります。
こちらは2020年12月28日公開したYouTube動画の記事版になりますので、そちらも合わせてご覧ください。
※「ライブハウス」と言っても様々な業態があります。
ここに挙げた以外にも閉店したライブハウスはあります。
今回は繋がりがあったところや興味深いところをピックアップさせていただきますのでご了承ください。
YouTube版↓
- ライブハウス閉店まとめ【2020年版】
- 北浦和KYARA(2020年1月31日閉店)
- 心斎橋ロックンルージュ(2020年2月21日閉店)
- 広島西条Amigo(2020年3月閉店)
- 池袋Canopus(2020年4月26日閉店)
- 札幌COLONY(2020年4月30日閉店)
- 京都VOXHALL(2020年4月30日閉店)
- 高円寺ペンギンハウス(2020年5月31日閉店)
- 渋谷VUENOS、渋谷Glad、渋谷LOUNGE NEO(2020年5月31日閉店)
- 巣鴨獅子王(2020年5月31日閉店)
- 秋田LIVESPOT2000(2020年5月31日閉店)
- 国立リバプール(2020年6月閉店)
- 沖縄宜野湾ヒューマンステージ(2020年6月末閉店)
- 登戸STARGIC ROOM(2020年6月末閉店)
- 名古屋ブルーノート(2020年8月15日閉店)
- 関大前TH HALL(2020年9月20日閉店)
- 下北沢GARDEN(2020年10月18日閉店)
- 2020年12月31日閉店の東京のライブハウス
- まとめ
ライブハウス閉店まとめ【2020年版】
北浦和KYARA(2020年1月31日閉店)
埼玉県さいたま市にあったライブハウス。
キャパは200前後で、北浦和駅から徒歩1分のところにあります。
KYARAの出入り口から駅のホームが見えるくらい駅近です。
ライブハウスは地下で、2階にザーゴンキッチンという飲食店があり、サーキットイベントなども行いやすい形状ですごくいいライブハウスでした。
(元)店長の安藤くんとは何度もYouTubeでご一緒してます。
現在もライブハウスをつくろうTV!!【KYARA next計画】と題し、ライブハウスを再建すべくYouTube活動を頑張っておられるので、今後の動きに注目です。
ちなみに1月に閉店ということで、コロナが原因の閉店ではありません。
閉店が決まった時に撮った動画↓
心斎橋ロックンルージュ(2020年2月21日閉店)
大阪の心斎橋に2017年にオープンした50~60'Sオールディーズのライブハウス。
僕らが運営するようなライブハウスとはちょっと違って、ハウスバンド(通称ハコバン)がいるタイプのライブハウスです。
ライブで盛り上がるというよりは、飲食に重点を置いてるイメージです。
僕はこういうところ行ったことないんですが行ってみたいです。
しかし3年で閉店とは厳しい世の中ですね。
2月ということでコロナも関係なさそうです。
広島西条Amigo(2020年3月閉店)
広島県東広島市に20年以上あったライブハウス。
地元密着型のライブハウスです。
もともと移転のために2020年3月に閉店し、2020年5月から新店舗オープンの予定でした。
しかしコロナの影響で新店舗オープンのめどが立たず、2020年12月現在もオープンの目処がたってない模様です。
2021年以降、新オープンされると思いますのでご注目ください。
池袋Canopus(2020年4月26日閉店)
池袋にあったキャパ100人の小さめのライブハウス。
閉店発表が4/5なので、コロナの影響が出はじめて1ヶ月も経たないうちに閉店。
しかも告知文には「コロナウイルス による売上減少に伴い」と書いてあります。
オープンから3年半という短い期間だったということで、もともと経営がかなり厳しかったのでしょうか。
4月当時は僕やその他のライブハウスの人たちも、補助金が本当に出るのか、この影響がどこまで続くのか本当に不安でした。
この時期に閉店を決断する勇気も素晴らしいと思います。
札幌COLONY(2020年4月30日閉店)
北海道の札幌市で、2001年オープンで約20年営業していたライブハウス。
キャパは180人。
北海道は当初から感染者が多いと報道があったので、影響が大きかったのだと思われます。
4/12に発表で4/13で営業終了というスピード感で、中の人たちも本当に大変だったと思います。
しかし惜しまれつつ閉店したんですが、元店長さんを中心に新たなCOLONYを立ち上げるべく7月にクラウドファンディングを開始したそうです。
目標400万円に対し500万円オーバーがあつまりました。
新しいライブハウスの名前はPLANTとして、2020年12月17日にオープンしました。
ツイッターによると「ただのライブハウスではありません、今までになり新コンセプトのカレー店としても営業」ということで、どういうことなのかめっちゃ気になります。
北海道は人生で一度しか行ったことないので、コロナが落ち着いたら行ってみたいです。
京都VOXHALL(2020年4月30日閉店)
私がライブハウスを運営する京都でも閉店するライブハウスが出てしまいました。
京都で40年の歴史を持つ超老舗、VOXhallは全国でも珍しい形状で、ホールが階段状になってます。
同じビル内に十八番という小さいライブハウスもあり、多くの学生やミュージシャンに愛されてきましたが2020年4月30日に閉店。
こちらの店長の有堀くんには閉店直後にインタビューしてる動画もあるのでそちらを見てください。
しかしここから僕と有堀くんで新プロジェクト「京学バンドクラブ」を始めました。
VOXHALLの閉店がなかったら始められませんでした。
これを機に出会った学生や結成されたバンドもいます。
そう考えると、コロナのおかげで新しい出会いも作れたかなと思います。
今後もピンチをチャンスに変えていきたいです。
ちなみに有堀くんはVOXHALLチームで新しい店を出す計画を進めてるそうなので、そちらの動きにも注目してください。
高円寺ペンギンハウス(2020年5月31日閉店)
こちらは東京の高円寺にあった35年の老舗です。
5/31ということでコロナ禍の閉店ですが、発表は3/15です。
3/15といえばコロナ禍が始まったばかりの頃です。
コロナが理由なのかと思いましたが、HPに閉店の理由が記載されてまして、
「最大の理由は経営陣の高齢化によるものです。」
とあります。
経営難や建物の理由以外にもそういう理由もあるんですね。
そしてHPにはこんな記事も載ってました。
「本来であれば5/31までは閉店までのイベントを行いたかったけど、緊急事態宣言や休業要請の真っ只中だったので全くそういうイベントをできずに閉店」
閉店はコロナ関係ないですが、閉店イベントはコロナの影響を受けてしまっていて、いたたまれない想いです。
渋谷VUENOS、渋谷Glad、渋谷LOUNGE NEO(2020年5月31日閉店)
渋谷の有名な系列ライブハウス3店舗の閉店も結構大きいニュースでした。
この3店舗はクラブイベントが多い箱だったようで、ちょっと名前的にはライブハウス界隈では馴染みないかもしれません。
しかしclub asia(クラブエイジア)という名前を聞いたことある人は多いのではないでしょうか?
asiaはキャパ300で、バンドのイベントでも使われたりしてます。
そのasiaグループもコロナの影響を受け、4店舗中3店舗を閉めてclub asiaだけでも残そうという決断を下しました。
この決断も同じ経営者としてはすごいと思います。
そしてclub asiaを残すためのクラウドファンディングも開始し、なんと3900万円も集まっています。
巣鴨獅子王(2020年5月31日閉店)
東京の巣鴨にある220人キャパのライブハウス。
こちらは直接面識がないのであまり誤解を招くようなことは言いたくないのですが、閉店を巡って一時期Twitterでオーナー対店長での争いを目にしました。
深くはわかりませんが、どちらにも言い分があるんだろうなと思いました。
コロナにより経営が悪化し、経営の存続を巡ってお金と気持ちどっちが大事か、それは難しい話です。
現場と経営では意見も違えば、お客さんとの接し方も違いますからね。
しかしその後、9/1から営業が再開してるそうです。
何が正しいかわからない世の中ですし、立場が違えば見える景色も意見も違います。
判断難しいですが、自分が正しいと信じる選択をしていきましょう。
秋田LIVESPOT2000(2020年5月31日閉店)
秋田県にあった200人キャパのライブハウス。
こちらも20年以上の老舗です。
今年は200人前後のキャパのライブハウスの閉店が目立ちますね。
奇しくもGROWLYも200人キャパです。
秋田県ということで東北には僕は足を踏み入れたことがないんですが、特に地方都市のライブハウスは厳しいと思います。
秋田といえばLIVESPOT2000くらいの知名度があったので、秋田のバンドや音楽ファン、そして秋田にツアーに行ってたバンド達が今後どうなるのでしょうか。
国立リバプール(2020年6月閉店)
東京都国立市にあるライブハウスですが、ライブバーという形態に近いと思われます。
1982年オープンということは38年の超老舗でしたが閉店。
ツイッターによると経営者の代替わりで一旦閉店という形のようです。
発表が2019年の1月だったのでコロナは関係なさそうです。
跡地には国立REBORNという名前で2021年オープン予定ということです。
経営者の代替わりで、新たなシーンが始まる予感がします。
沖縄宜野湾ヒューマンステージ(2020年6月末閉店)
沖縄のライブハウスの中でも老舗で有名なヒューマンステージ。
30年の歴史を持って閉店。
沖縄といえば数々の有名アーティストの出身地でもありますが、あのMONGOL800が高校生から出演していたという伝統あるライブハウスが閉店なのはとても残念です。
閉店するまでに一度は行きたいライブハウスでした。
登戸STARGIC ROOM(2020年6月末閉店)
神奈川県川崎市にあったライブハウス、20年の老舗でした。
あまり有名なライブハウスではないかもしれませんが、僕が17年くらい前に組んでいたバンドの初ツアーで行ったライブハウスです。
なので閉店のニュースを聞いた時は衝撃でした。
その時にイベントを組んでくれたSTUDSのTAKUさんがその頃から最後までスタッフとして働いていたとのことで、10年近く会ってないのでまた会いたいです。
名古屋ブルーノート(2020年8月15日閉店)
ニューヨークの名門ジャズクラブ、ブルーノートの日本店として2002年オープン。
ジャズクラブということでこちらは僕たちのライブハウスとは形態が違いますが、超有名店です。
せらまさのりや森口ひろこなどの有名歌手もよく公演を行なっていたそうです。
そして海外からのアーティストも多数出演していたので、今回のコロナの件で大ダメージを受けていたと思います。
コロナが収まって海外のアーティストが来日したいという時に、こういう場所がなくなってしまっているのは残念です。
関大前TH HALL(2020年9月20日閉店)
大阪の吹田市、関西大学前の関大前駅近くにあったライブハウス。
公式サイトで、閉店理由を新型コロナウイルスの影響としたうえで
「TH HALL存続の道をぎりぎりまで模索しましたが、急な閉店により多くの方々にご迷惑をおかけしてしまうことを深くお詫び申し上げます」
と記載がありました。
関西大学のサークルを始め、多くの人の歴史が刻まれたライブハウスもまた一つ閉店です。
下北沢GARDEN(2020年10月18日閉店)
東京の音楽の街、下北沢のキャパ600のオオバコ。
GARDENの閉店も衝撃でした。
出演したことはないのですが、何度か見に行かせてもらいました。
音楽の街下北沢はライブハウスがひしめいてる激戦区の中でも大きい箱で、GARDENを目指してたバンドも多かったと思うので残念です。
しかし直後にビッグニュースが入ってきました。
大阪のシャングリラや東京CHELSEA HOTELなど多くのライブハウスを経営するLD&KがGARDENの跡地で下北沢シャングリラを12/19にオープンさせるとのことです。
この時期に新店舗オープンするとはすごい。
今後も楽しみです。
2020年12月31日閉店の東京のライブハウス
赤坂CLUB TENJIKU、天窓グループ、高田馬場AREA、池袋CYBER、Zher the ZOO YOYOGIと、東京の多くのライブハウスが2020年末で閉店しました。
どこも有名で、長い歴史を誇るライブハウスです。
東京は特に人口密集してるのもあり、感染者数も多いです。
先が見通せない中、東京での大量閉店が全国に波及しないことを祈るばかりです。
まとめ
ということで今回はライブハウス閉店まとめ【2020年版】という記事でした。
冒頭にも書きましたが、ここに書ききれなかった閉店したライブハウスもたくさんあります。
もし思い入れのあるライブハウスが載ってなかったら申し訳ありません。
今年は本当に暗いニュースが多かったです。
そしてライブハウスへのバッシングも目立ちました。
実際僕もツイッターなどでライブハウスの存続を主張した際、誹謗中傷を受けたりもしました。
実際、本来のライブハウスは3密を伴うものですし、感染しやすいかどうかで言えばしやすいと思います。
しかしライブハウスは対策もとってきました。
本来は最高の場所であると思います。
閉店されたライブハウスの店長やスタッフの皆さんは本当に断腸の思いだったと思います。
今続けてるライブハウスもほとんどのところがギリギリの状態です。
現状配信ライブや通販などを行ってるライブハウスもあります。
早くこの状況が落ち着くのを願うとともに、応援してるライブハウスや地元のライブハウスに目を向けて、ちょっとでも応援してくれると、音楽業界の未来が明るくなると思います。
ピンチをチャンスに、変えていきましょう。
関連記事です。
ライブハウス閉店まとめ2019です。
コロナが収まったとしても、コロナ対策同様、モッシュダイブ問題は考えなければなりません。
こういう時期だからこそ、なおさら地元のライブハウスを大切にして欲しいなと思います。
続きはWebで。もしくは地元のライブハウスで。