音楽をやる理由はどう決めるべきか。
そもそも決めるべきか。
最近ツイッターでも論争が巻き起こりました。
ものすごく深い話題で、すごく考えさせられました。
この記事を書いている恭平 a.k.a こども社長( @kyoopees )は京都でライブハウスGROWLYや音楽スタジオAntonioを運営しています。
学生バンドや、組んで間もないバンドと話す機会が多いです。
そのような初心者バンドは、必ずと言っても過言ではないくらいブチ当たる壁です。
答えを出すのは難しい話題ですが、今回は敢えて僕なりの答えを示しながら、
この話題について言及していきたいと思います。
レディゴォ!
この記事の動画バージョン↓
音楽やる理由は決めるべきか:趣味か夢追いか
結論を出すのは本当に難しい話題ですが、敢えて僕なりの結論を出すなら、
「音楽を人前でやり始めて2年以内には、趣味か夢追いかどちらか決めた方が楽」
です。
理由を説明していきます。
ただ、まず前提としては「決めなくてもいい」とも思います。
なぜなら、音楽をやる理由は人それぞれで、自由だからです。
ただし、理由を決めない人にも、これだけは意識した方がいいという話もします。
僕も最初は同じような悩みがあった
僕が本格的にバンドを始めたのは大学の頃でした。
大学進学で熊本から京都に引っ越して、大学の軽音サークルでバンドを組みました。
最初はなんとなく、ライブできたら楽しいな~くらいの軽い気持ちで始めました。
でもだんだんバンドにのめり込んでいって、大学にもあんまり行かなくなりました。
で、たまーに大学に行くと「え?バンドいつまでやるの?」って聞かれました。
それが嫌でもっと大学に行かなくなりました。
趣味か夢追いか、以前の話で、「バンドは早めにやめるべきもの」っていう認識がすごく嫌でした。
同じような経験をした人も多いのではないでしょうか。
音楽をやる理由は決めなくてもいい
僕の場合は音楽=バンドなので、バンドをやる理由ということで話を進めていきます。
一言で"音楽をやる"と言ったら、ものすごく多くの行為を指します。
音楽をやる理由は決めなくてもいいと思います。
だって、自由ですから。
家で音楽を作ったり、ネットにあげたり、スタジオで練習するだけなら、本当に自由です。
理由はなんだっていいと思います。
周りへの感謝や対価を忘れないでほしい
ただ、もし人前で音楽をやるのであれば、少しだけ意識して欲しいことがあります。
ライブハウスや路上ライブでも、人前でやるとしたら。
そこにはお金が発生し、他人の設備や他人の協力があって始めて成り立ちます。
僕が伝えたいのは、
周りへの感謝や、かかった労力に対する対価は支払うことを意識して欲しい
ということです。
たまに、
「自分は別に売れるために音楽やってないから。好きだって思ってくれる人が好きになってくれたらそれでいいから。」
って人がいます。
それは全然間違ってないです。自由です。
しかしそれを理由に、周りへの配慮を忘れがちな人と何人も会ってきました。
意識して欲しいのは、
「自分以外の誰かの協力があって、その音楽の表現が成り立ってる」
ということです。
これを忘れがちです。
誰かっていうのは、メンバーであり、スタッフであり、お客さんです。
その感謝の気持ちや行動を忘れてしまうのであれば、音楽を人前でやらない方がいいです。
趣味でも夢追いでもなく、犬を飼っているという感覚
ある人は、音楽をすることを「犬を飼ってるに近い感覚」と表現しました。
日常生活にちょっとプラスした、他の人はやってないかもだけど、やりたいからやってること。
素晴らしい表現だと思います。
自分の家の中で犬を飼うのであれば、それこそ他人にとやかく言われる筋合いはありません。
理由だってなんだっていいし、理由を説明する必要もないです。
(ペット禁止のマンションなどは除く)
しかしその犬を見せることでお金をとったり、
犬を見せるのに誰かの協力が必要なのであれば、話は別です。
そして犬が他人に噛み付かないように管理する必要があるし、
もし噛み付いたら責任を取らなければいけません。
だからたとえ犬を飼ってるに近い感覚で音楽をやっていたとしても、
人前でやる場合は、他人への配慮が必要だと思います。
そして、犬を飼うのにはお金がかかるし、同居人への配慮が必要です。
(犬を飼うような感覚で音楽をやるのは全然OKです。)
もし親やパートナーが犬アレルギーだったら。
最初は違ったのに急にアレルギーなることだってあります。
飼うのを諦める時が来るかもしれません。
もし家族やパートナーとの同居よりも犬との同居の方が大事なのであれば、家を出ていく必要もあるかもしれません。
これも音楽に当てはまると思います。
どうしても犬が大事であれば、犬とパートナーが共存できるように、パートナーに理解してもらわないといけません。
趣味か夢追いかどちらか決めた方が楽
ここからは僕の提案を話します。
僕の提案は
「音楽を人前でやり始めて2年以内には、趣味か夢追いかどちらか決めた方が楽」
です。
なぜかというと、決めた方が他人にも自分にも説明が楽だからです。
まずこの質問をしてくる人のほとんどが、音楽をやったことない人なんです。
もしくは、やったことあるけど、その2択しかわからない人です。
日本人は、音楽をやったことのない人の方が多いです。
音楽をやったことない方が大多数です。
趣味か夢追いか、その2択しかわからないのが普通です。
僕もずっと音楽に携わってきたので、周りにいる人のほとんどが、音楽をやってる人か、携わってる人です。
だから音楽をやる感覚がわかるのが普通だと感じることは多いですが、
それは間違いです。
悲しいことに日本人は音楽をやらないことの方が普通です。
(ここでいう普通というのは、音楽をやったことのない人の方が多い、という意味です。)
そういう人は、趣味か夢追いか、その2パターンくらいしかわかりません。
犬を飼ってる感覚も、犬を飼ったことある人にしかわからないです。
犬を飼ったことない人に、「犬を飼うような感覚」と伝えても、なんとなくしか伝わりません。
なので、遠い存在には伝える必要はないかもしれないけど、
家族やパートナー、そして音楽を手伝ってくれる人には、どちらなのかを伝えておいた方が楽です。
その方が周りも対応しやすいです。
客としてもどういうスタンスか知っておきたい
ある知り合いからは、「お客さんとしてもどちらのスタンスなのか知っておきたい」という意見ももらいました。
これにはハッとさせられました。
ライブがあって、CDやグッズなどが売ってる場合、お客さんはお金を支払います。
ライブに行くのには時間も使います。
趣味でやってるのか、夢を追ってるのかでは、応援の仕方を変えたい、という人もいます。
もちろん、全員という意味ではなく、中にはいます、という意味です。
趣味でやってるのに・・って人に、売れて欲しいから全ライブ行く!グッズも全部買う!というのは、ちょっと温度差を感じてしまいますよね。
需要と供給の不一致と言えるかもしれません。
なので、もしハッキリしてるのであれば、お客さんにも伝えられた方がいいのかもしれません。
自分の行動の指針にもなる
そしてそれは自分の行動の指針にもなると思います。
音楽に関する行動が、自分の中でどれだけ優先順位が高いか。
僕は一時期、何が何でも売れたいと思ってた時は、
「もし親の死に目に会えなくても、決まってるライブはキャンセルすべきではない」
とまで考えていました。
もちろんこれは行き過ぎだと思いますし、勧めるわけではないです。
しかし優先順位が本当に一番上であれば、プロ意識としてはあながち間違ってないかもしれません。
親の死に目とまでは言わなくても、何かを決断しなければいけないときに、自分の中での優先順位を決めておいた方が楽かもしれません。
2年以内という理由
2年以内という理由も説明します。
今回はあえて2年と言いましたが、これは別に1年でも3年でもいいです。
なんとなく、1年のサイクルを2周したくらい、で2年としました。
言いたいのは、
「音楽を人前でやり始める瞬間から決めておけっていうわけじゃない」
「決めずに5年10年やるよりは、決めてから続けた方がいい」
ということです。
最初は何も考えず始めたらいいと思います。
僕も最初はそうだったように、ただ面白そうだから、ただモテそうだからという理由で始めました。
もちろん、お客さんにどう思ってほしいなんて考えたことはありませんでした。
楽しかったらやったらいいし、楽しさよりしんどさやお金がないことが辛いなら、やめたらいいと思います。
で、1~2年してくると、音楽をやるということが自分にとってどういうことなのかがわかってくると思います。
音楽との接し方がわかってくるだろうし、
生活のどのくらいの割合を音楽で埋めたいかもわかってくると思います。
趣味程度に、周りに迷惑をかけない程度に続けるのか。
それとも、犠牲も受け入れてでも売れるために努力するのか。
これは、人それぞれの感覚です。
何が正しいとかはありません。
そして、その時に周りにいる人も、その人それぞれです。
パートナーだってそうだし、レーベルや事務所など、サポートしてくれる人の存在も関係してきます。
趣味として、10年20年続けるのもいいと思います。
30歳になるまでは夢を追い続ける!でもいいと思います。
でもそれをなんとなく、どっちかわからないけど続けて、
周りにも説明できず仲間が離れていくよりは、割り切った方がいいと思ってます。
まとめ
というわけで、音楽をやる理由を決めた方がいいかどうかという話題について喋ってみました。
音楽を続けていくと、音楽をやってない人からこういう質問されるのは避けられません。
しかし、説明するのがめんどくさいからとか、
どうせ説明しても伝わらないからといって心を閉ざして欲しくないです。
堂々と、「●●で音楽やってるから、良かったら聴きに来てよ!」と言ってほしいです。
何度もいうように、音楽をやる理由は自由です。
10人いたら10個の理由があっていいと思います。
僕が今回伝えたいのは、
・どっちか決めた方が、あとあと楽になると思うよ
・周りへの感謝は忘れずに
の2点です。
音楽というものが、なるべくあなたの生活に寄り添い、
そして周りとも溶け込みますように。
関連記事です。
売れるためには練習が必要です。
誰の力も借りず発信できるツール、それがYouTubeです。
人前で演奏するためには、見にきてもらう人を増やす必要があります。
詳しくはWebで。もしくは夢の中で。