高校生バンドがライブハウスに出る事は不健全な事なのでしょうか。
高校生バンドがライブハウスに出れない事は自然な事なのでしょうか。
高校生バンドの子達と話してて
— 平井一雅 (@kazumasalamp319) October 3, 2018
自分の中で納得が行かん事があって疑問に思ってます。先生方に聞きたい。
そしてライブハウスが好きな皆、バンドマン及びライブハウスの皆さん、どう思いますか。 pic.twitter.com/dGayDRaI3R
「一部の高校で、高校生バンドがライブハウスに出演する事を禁止している事に対して、どう思いますか」
という平井一雅さん( @kazumasalamp319 )のツイートが話題になりました。
この記事を書いている恭平 a.k.a こども社長( @kyoopees )も京都でGROWLYというライブハウスを経営していますが、
15年前に比べると最近は高校生バンドの出演数が減った様にも感じていました。
出演出来ない理由として、"軽音連"という軽音ネットワークが関わっていると言う話もあります。
なぜ、一部の高校や軽音連はライブハウスへの出演を禁止しているのでしょうか。
なぜ、高校生バンドは高校生という理由だけでライブハウスに出れないのでしょうか。
理由を考察するとともに、ライブハウス側として対策が講じれないか、考えていきたいと思います。
レディゴォ!
高校生バンドがライブハウス出演禁止になってしまう4つの理由と対策
この平井さんのツイートを見かけたとき、思わず私はこうツイートしました。
京都もそんな感じだと聞きます。
— 恭平 a.k.a こども社長 (@kyoopees) October 3, 2018
なんとなく、親や教師がそう言うのも理解できます。
「ライブハウス」は、喫煙可の所も多いし、酒も売ってる。終演時間も22時くらいなので、高校生にとっては好ましくない場所かも知れません。
だからこそ、そのハードルを突破するのがカッコいいのかなーと思います。 https://t.co/ZjjyNJSTyQ
私の考えでは、
- ライブハウスは喫煙可能な場所である
- ライブハウスではお酒が販売されている
- 帰るのが遅くなると深夜徘徊で補導される
の3つが禁止されてる理由なのかなと思ったのですが、調べて行くと
- チケット販売における金銭の授受がある
という理由も、大きい理由の1つのようでした。
今回はこの4つの理由について、詳しく言及していくとともに、ライブハウスはどう対応すべきかを考えていこうと思います。
ライブハウスは喫煙可能な場所である
一般的なライブハウスのイメージってどんなところですか?
色々あると思いますが、その一つに「喫煙可能な場所である」というのが挙げられると思います。
GROWLYでは、GROWLY主催のイベントではライブフロア禁煙にしていますが、バーフロアは喫煙可能です。
イベントの主催者がライブフロアも喫煙可能にしたいと言えば、ライブフロアも喫煙OKにします。
逆に、バーフロアも禁煙にしたいと申し出た場合は、全館禁煙で対応します。
全国のライブハウスで、常に全館禁煙のところは少ないでしょう。
もちろん、未成年である高校生の喫煙は法律で禁止されています。
喫煙する事が普通に行われている空間に高校生を行かせたくないという想いは、ごく自然であると考えます。
ライブハウスではお酒が販売されている
同じく、全国のライブハウスのほとんどで、お酒が販売されています。
もちろん若いお客さんがお酒を注文された場合は、年齢確認をします。
高校生が出演する時はお酒の販売自体をしない事もあります。
販売しなければ、高校生は安心して出入りさせられるのでしょうか。
居酒屋で考えてみるとわかりやすいです。
お酒を飲まないからと言って、高校生が居酒屋に出入りする事は健全と言えるでしょうか?
飲酒の問題も、高校生がライブハウス出演禁止になる大きな理由であるでしょう。
帰るのが遅くなると深夜徘徊で補導される
こちらも一概には言えませんが、終演時間は22時頃になるイベントが多いと思います。
22時に終演しても、対バンと話したり、片付けをしたり、精算をしたりしていると、ライブハウスを退館する時間はもう少し遅くなってしまいます。
それぞれの自治体で違うのですが、高校生が深夜徘徊で補導される時間は23時が多い様です。
もし出演しているイベントの終演時間が22時である場合は、23時までに家に帰り着く事が難しいかもしれません。
チケット販売における金銭の授受がある
この理由は恥ずかしながら盲点でしたが、
チケット販売における金銭の授受がある
というのは、かなり大きな理由の様です。
基本的には、ライブハウスに出演する場合はチケットノルマが課される場合が多いです。
◯円のチケットを◯枚売って下さい、という形です。
そうなれば、チケットを友達に買ってもらう必要があります。
友達間の金銭の授受を禁止している高校も多い様です。
実際、先輩が後輩に無理矢理チケットを売りつけるなどのトラブルも発生したケースがある様です。
我々大人にはイメージしにくい問題かもしれませんが、金銭の授受が禁止されているとすれば、チケットを販売する事も難しいです。
これら4つの問題を自己解決出来ない
高校生バンドはライブハウス出演禁止になってしまう4つの理由を挙げて来ましたが、根本の問題は「これらを自己解決出来ない」というところでしょう。
未成年である高校生は、当然保護者の管理下に置かれます。
保護者に管理を一任されている高校も高校教師や軽音連も、これらのトラブルが起きた時には責任問題になってしまいます。
最近は特にコンプライアンスが重視され、テレビ等でも規制が厳しくなって来ています。
大人と子供の境界線を引くのであれば、まだ子供に属する高校生に対して、
上記の問題が"起きる可能性がある"場所であるライブハウスに出入りさせたくない
という保護者の考えは、ごく自然で的を得てると思います。
高校生バンドがライブハウスに出れる様になるためにはどうしたら良いか
ではどうすれば、高校生バンドがライブハウスに出演出来る様になるのでしょうか。
個人的に、一番の解決方法は、
高校教師もしくは軽音連の人と一緒にイベントを制作し、当日も来てもらう
というのがベストだと思います。
正直、保護者がOKと言えばOKだと思います。
実際、保護者同伴でライブを見に来られる方もたくさんいます。
しかし、多数の生徒を抱える高校や軽音連では、(保護者が)一人でもNGである可能性があるからNGにせざるを得ない状況にあると思います。
上記の問題を解決する為には
- 当日は全館禁煙
- 当日はお酒の販売はしない
- イベントの終演時間を早め、23時には必ず帰宅出来る様にする
- チケットノルマではなく出演費(機材費)という形にし、チケット代を0円にする
ということはマストだと思います。
ライブハウスやイベントの主催者が、高校教師や軽音連との人間関係が構築されており、一任される状態であれば問題無いかもしれませんが、そうで無い場合は、制作から当日まで一緒に行うというのが一番良いのではないでしょうか。
まとめ
高校生がライブハウスに出入りする事は、ライブハウス側は望みます。
早くから生の音楽に触れ、ステージに立つことは、成長を早めるからです。
しかし、それには問題が孕んでいる事も認識しなければなりません。
今回の考察をしてみると、大人が出演するイベントに高校生が出演する事は現実的に厳しいのかなとも思いました。
その場合は、大人が高校生の条件に合わせなければいけないからです。
高校生限定イベントであれば、出演出来ない理由を全て潰す事によって、出演OKなイベントにする事は可能でしょう。
ライブハウスの人間としては、ライブハウスはクリーンな場所であるし、法律も遵守して営業しているので、たくさんの人に来て欲しいと願っています。
しかしそれが全ての高校生にも当てはまるかと言ったら難しいのかもしれません。
法律も常識も、昔とは変わって来ています。
それに対応しつつ、良い状況を作って行く事が、今を生きる私たちに求められているのかもしれません。
関連記事です。
高校生を始めとした若い人口が減っているのも、問題に一役買っているのかもしれません。
今回のテーマとは逆に、大人(社会人)になったらライブハウスに出入りしにくくなる人もいるようです。
高校生バンド、初心者バンドに向けて。
続きはWebで。できれば現場で。